「見ていて飽きないね、は。」


僕がそういうと、目の前にいるは縁側に座ったまま、ぽかんとした表情でいる。 そして、僕がまばたきをしてまた目を開いたときには、クスッという効果音がつきそうな顔で笑っていた。


「突然どうしたの?」
「いや、なんとなくね。」
「私そんな面白い?」
「面白いと言うか・・・飽きないものは飽きないんだよ。」
「そうなの。」


僕の返答が不満だったようで、はそっけない返事で返す。


「まぁ、理由をしいていうならば・・・。」
「なぁに?」
「僕が、君を好いているからかな。」


そういうと、僕を見つめるの目が少し揺れて、多少の間があいてからは立ち上がって、縁側からすぐそばの僕の座る座卓へ近づき、 か細い両腕を僕の両肩に伸ばし膝立ちになって僕の少し荒れた唇に口をつけた。君の、長い、睫毛が、あたって、頬骨の、辺りが、くすぐったい。


少し目を開いたら、耳まで紅に染めたが涙を流していた。
涙は夕日に照らされて眩しくて、鳥の声しか聞こえない夕方は酷く寂しく見えた。


僕は、口を離しかけたの後頭部を手で押さえて、もう一度、
今度は口ではなく口の端に口をつけ、キツク抱きしめた。




あぁ、僕は悦楽の波の中にいる。










眩暈



(心から君が好きだ、と思える。)










***20081220  潮音
また雲雀・・・。10年後設定です。二人とも着物だといい。