俺が思いを寄せている女の子は、ジャポーネの子で髪はもちろん黒い。目は二重で黒目が大きい。 ツナに用事があってボンゴレの屋敷に行ったときに初めて会った、と言うか見かけた。それが大体、二ヶ月前くらい。 ツナに聞くと家光が連れてきた子で、かなり仕事はこなすらしい。



(名前は、 。)



早く名前を呼んでみたくて、彼女に会うためボンゴレの屋敷内を歩いてみる。リボーンや山本、獄寺とは会うがなかなか会えない。 出かけてるのかもな・・・。ふと、前をみるとハルと京子が歩いてきた。聞いてみるか。


「よぉ!」
「ディーノさん!」
「こんにちはー!」
「あのよ、って子今どこにいるか知ってるか?」
ちゃんですかー。」
「あ、私温室のほうで見たよ!」
「そっか、サンキューな。」


ハルたちに別れを告げて、温室のほうに急ぐ。外に出て芝生と木々の間を少し行くとそれなりに大きい温室が現れる。 キィ、となるべく音を立てないように扉をあける。むわっと温室特有の暑苦しさが纏わり付く。周りには青々とした葉が 、たくさん植えてある。その一番奥の白いテーブルで、紅茶を飲みながら本を読んでいる彼女が見えた。


「こんにちは。」
「!」


彼女は本に夢中になっていて俺には気が付かなかったようで、声をかけたら肩を震わせて驚いた。


「あ、わりぃ驚かせちまったか・・・。」
「いえ、あ、キャバッローネのディーノさんですよね。初めまして。」


彼女の黒髪がさらっと動く。肌が白いから黒髪がよく生える。間近でみると、本当に・・・その、かわいい。


「俺のこと知ってるのか。」
「そりゃあ、有名ですし。ツナが尊敬する方の一人ですから。」


くすくすと小さく笑うと、思い出したかのように紅茶のカップをもう一つ用意した。どうぞっすわってください、と 言った。いわれるままに彼女の隣に座る。今まで読んでいた本にしおりを挟んで本を閉じて自分の脇に置くと ふふっと笑いながらこちらを見た。


「今日は、こんな所までどうしたんですか?」
「ん?ああ、に会いに来たんだよ。」
「え・・・!あ、私の名前知ってるんですか。」


一瞬驚いたように目を見開いて、真っ赤な顔を隠すように下を向いてしまった。


「ははっ、ツナに聞いたんだ。のこと。」
「・・・ツナはなんて?」
「仕事を何でもこなしちゃうすごい子だって。」
「そ、ですか。」


そのまま少し俯いてしまった。なんか、悪いこと言っちまったかな・・・?


「わりぃ、良くないこと言ったか?」
「いえ、ディーノさんは悪くないです。」
「・・・。」
「ただ、私はすごくないです。」


俺はそのまま何も聞かずに、そっとの頭をなでる。


「あんま悩むなよ、なんかあったら俺にいいな。」
「ディーノさん。」


すこし笑うと紅茶を一口飲む。


「よっし、じゃあ今度一緒に食事でも行こうぜ。」
「食事ですか・・・。」
「俺も忙しいから、すぐには無理かもだけどさ。」
「そんな、」
「いーって。俺もに会いたいし。」
「はい、あのディーノさん。」
「ん?」
「ありがとうございます。ここに来てくれて嬉しかったです。」
・・・。」


はにかんで笑うの顔は本当に可愛かった。思わずにやけちまって、急いで口元に手をやる。


「どうかしましたか?」
「なんでもねーよ。これ、俺の携帯のアドレスと番号な。」
「あ、はい。」
「じゃあ、小指出して。」
「?」
「ゆびきり。絶対会おうな。」
「はいっ。」







指きりランデヴー



(俺の好き、少しでも伝わったかな。)






2009 02/22 潮音
久しぶりだとまとまらないいいい