ねぇくだらない言葉で私を愛してよ。バカみたいに抱きしめて好きっていって。
ほんとはもっと触れて欲しくて、もっと名前を呼んで欲しくて仕方がないの。
ほら、もっとくっついて、もっと耳元で囁いてよ。ドキドキしちゃう。


「ね、ぇ。」


「ちくさー。」


「ちたねー。」


「ちくさだから。なに。」
「一緒にお散歩いこ?」
「めんどくさいから、やだ。」
「えー折角いいお天気なのに?」
「・・・。」


ちくさってばすぐ黙っちゃうんだもん。せっかく、お天気もいいし結婚したばっかりだから
外へでて「あら、今日は旦那さんと一緒?」とか商店街のおばちゃんとかにはやされたいのに。
むーあんまりお散歩ってできることじゃないからしたいのに。なーんて思いながら自分の
薬指にキラリと光る銀色の指輪を太陽の光に当てつつ思ったりする。


「買い物・・・。」
「ん?」
「買い物行くついででならいいよ。」
「ほんと!?」
「・・・うん。」
「ありがとう、ちくさ!」


なんだかんだ言って優しいなぁ。だから大好き。おしゃべりな私と無口なあなた。丁度、いいよね。
嬉しくなって新しく買ったワンピースに着替えて新しいパンプスを持ってきてちいさなバッグにお財布と
リップクリーム、タオル、ティッシュをもって玄関で待ってると千種が帽子をかぶりながらルンルンしてる
私をみてふっと笑った。


「なあに?」
「なんでもない。」
「ちくさ、今夜ハヤシライス食べたい。」
「いいよ。」
「やった!」


そして、何気なく顔をそらしながら私の手を握って歩き出す。そんな後姿に笑っちゃう。
だから答えるように握られた手にちからを込めるの。細くて、綺麗な指、私より一回り半くらい大きい平。
それすらも愛おしく思えてしまう私はちくさに相当おねつなんだなって思う。


「あら、ちゃん旦那さんとお買い物?」
「はいっ!ね、ちくさ?」
「・・・。(恥ずかしい・・・)」
「あはは、照れてる!」
「うるさい。」


ほら、大好き。












好きが止まらない













ちくさと新婚・・・!← 20080511 杵多