学校の帰り道「千種」と俺の名前を呼ぶ。君の透き通るように澄んだ声は俺を惑わす。
名前を呼ばれるだけで熱くなる。あぁこんなにも俺はに依存してたんだな。
気に入らない事があればしかめ面してめいっぱいはむかってくる。
楽しい事があればめいっぱいの笑顔で微笑む。
悲しい事があればめいっぱい涙をながして悲しむ。 どんな事でも全力で向かってきてくれる。喜怒哀楽。君の表情、行動、声。
全て未知数で先が読めないけど、全てが新鮮で。健気で、それがまた美しい。
ちょうど、土手道を歩いていた時に「・・・好きだよ」って言ったら君は
少しだけ驚いた顔して頬を赤く染めながら「私も好きだょ」と笑う。
口付けをして抱き締めればすぐにしたをむいてきつく抱きついてくる。
自然と自分の抱き締める腕に力が入る。少しすればモゾモゾと腕の中でもがいて顔をあげる。
控え目にでも確かに微笑む。この時が一番幸せそうな顔をする君がいる。
この表情を見るたび俺は幸せだなぁと感じる。気がつけば空はオレンジと紺グラデーションに
染まり一番星がみえる頃になっていた。結構長い間そこに居た
ようだった。「千種??もぅ暗くなってきたから早くみんなのとこ帰ろ。」
お腹も空いたし。と君が呟く。少し笑ってそうだね。って返したら、俺が笑っている事に
気がついたのか「千種が笑った!!」って騒ぎ出した。「俺だって笑う事くらいあるよ…。」
って呟いたらそれが聞こえたのかそっと手を握りながら「ごめんね」って言うから少し驚いた。
謝んなくてもいいのに。だから、慰めるために頭を撫でたら俺の手をにぎる手が一層強く握ってきた。
もぅ周りは真っ暗で空は漆黒のカーテンで覆われていてダイヤモンドの様な星が瞬いていた。
「…ほら早くいくょ。」手を引っ張ると「うん...」と小さい声でチラッとこっちを見て言う。「…何?」
「もぅ、怒ってない??」なにかと思えば消えそうな声でそういってきた。
「別に最初からそんなに怒ってないよ。」「でも…」続きを言おうとする君の口を手で塞いで
おでこにそっと触れるだけのキスをした。そしたら「ばか…」って半泣き状態の君。
そうこうしてるまにアジトに到着した。半泣き状態のまま君は走って「ただいまっ!!」
って言いながら犬と骸様の所に行く。「千種もおかえり。」ペコってお
辞儀だけする。「あれ〜??なんれ泣いてんの??」「何でもないよ。」
よく見れば顔は真っ赤で
何とも言えない表情で笑っていた。
あぁ君はこんなにも美しく愛しい。
君の心は輝くこの地球さえも包み込むように暖かくて。
俺は君の全てを愛することが出来ればこの上なく
幸せで君に支えられている俺は実に脆くて。

。」

俺の心は照されて影が行き場を失うほどに照されて。






本日曇りのち晴れ、晴れ






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千種すき。
20061002倖 燗拿