ひとくち、口に入れて鋭利な歯で噛み締めればぷつんと弾けてつぶれる。ほろにがさと甘さが舌の上にすべるように広がる。 は最近変わったと思う。前より笑顔がキラキラしてる。すれ違えば甘い香りがするし、ネックレスとかブレスレッドとかアクセサリ とかもつけるようになったと思う。髪も少し切ったみたいで丸いのにすらりとした顔に良く似合う。でも、目は変わらないな、とおもった。 仕草とか容姿とかは変わったけど唯一かわらないのが目だけ。茶っぽい目はいつでもまっすぐに映るものすべてをしっかりと捕らえていて 少しどきっとするような、輝き。逆をいえばなんでも見透かされそうで怖い感じもする。オレはなにもかわらないのに。やっぱ恋とか好きな 人とかって女にはでかいもんなんかな。は、誰が好きなんかな。オレはいつだってなんだけどな。 オレはと同じクラスになって3回目だから、わりと話すしどっちかといえば仲だっていいとおもう。うん。隣の席になったのは2回。 去年は二学期に一度。もう一回は今、現在、なんだよ。隣にすげぇ好きな子がいるって変な感じなんだよな。高等部になって、 来年は将来を考えなくちゃねんねぇ。多分、オレはキャバッローネの跡継ぎにならなくちゃならないんだと思う。逆らえない運命 だよな。本当はマフィアなんかになりたくないけど、家が家だからな。おかげで養成学校に行くはめにもなったんだもんな。 実際、はオレの事どう思ってるかわしらねぇけどさ。でも、オレはがほかの奴と一緒に居るのとか見たくないし だから、自分のそばにおきたいって気持ちもあるし。わがままなんだよな。付き合ってもいねぇくせにさ。 「なぁ、。」 「ディーノくん?」 「今、好きな奴いるか?」 「えっ、うーん、微妙かな。いきなり、どうしたの?」 「いや、最近かわったなぁと思ったからさ。」 「そ、そうかな?」 「うん、そう思う。」 「えへへ、やっぱり少しは変わってみるのも悪くないね。」 「は?」 「え、ううん!なんでもないの。」 ぜってぇいるな。(好きな奴)←確定 やべーどうしよ。今すぐその後ろ姿追っかけて肩つかんで振り向かせて好きってい言ってやりたい。 あー、みみっちいなー。こんなん、厭だなぁ。すっげ厭。むしゃくしゃする。悲しみとか幸せとか夢になっちまえばいいんだ。 時々恋しくなるけど、出会ったこととか離れていくとか、かわいいとか、かわいくないとかじゃなくて。あの、浅い海でおぼれるみたいな。 がけの上から水面を見つめるとか。毎日笑顔がまぶしくてやんなっちまうよ、よすぎるんだ、のすべてが。寒くもないし暑くもないし。 この気候もよすぎるんだ。オレがむしゃくしゃしてる間には一人の男子に告白された。でも、返事はノー。それを聞いたオレは泣きたくなった。 心臓が縮んで苦しくなった。息が詰まりそうになんたんだ。安心したはずなのに苦しかったんだ。へんなの。怖かった。誰かには飲み込まれて 行くよな感じがして。どうしようもないよ。しょうがないよな。 だから、オレは今日に告白することにした。恥ずかしいし、すっげぇ厭だけど。後ろ姿追っかけてみてさ。 平凡すぎるな。こんなんだから、世界はだめなんだよ。だから、オレも駄目な奴なんだよ。あぁ、考えすぎてなんだか少しだけ眠い。 君を 宝石箱に閉じ込めたい 厭(いや)なんだよね。君がオレ以外のことすきになるの。ってな! 20070708 鵠沼 杵多 |