男からすれば、女の子はわがままで、よく分からない生き物だ。
でも、男はバカだから何もかえってこないのに優しくしてしまうんだ。


公園でみた一瞬は小学生くらいの男の子同士が遊んでてとても楽しそう。
それを見た女の子は割って入ろうとしては駄目でふてくされて こんな世界はつまらないと、
一人で遊んでる。


オレは今、よく分からない気持ちになっている。は半年前から フランスに留学してしまった。フランスは上のほうは結構治安が悪いから 気をつけろよ、と言ったけど本当に尾あいつは今大丈夫なのだろうか。


離れない、揺るがない幸せ、どうやったら手に入るのかとか真面目に 考えてみたりする。
いまはまだ届かないと分かっていてもそっと言う。


(好きだ、愛してる。)


頭の中でことばを一つ一つ探して繋げる。
気がついたら空は灰色で雨が降って、オレの汚れたところを洗い流すかのように
ふった雨はどこかへ消えてしまった。


電車は発車した。


遠くの汽車の窓辺からは菜の花が咲き乱れてるのが見えて春風も見えるだろう。 ローカル線だから車両には部活後の中学生、老夫婦、 赤ちゃんを抱っこしている母親。車内を巡回する車掌。 窓は上下開閉式で少しあけてみるとぶわり、菜の花の香りが鼻を包む。


今もし隣にが座っていたらシロツメ草で編んだネックレスをかけるだろう。 ここで涙か出ないのも幸せなんだ。ほら、オレの変わりに泣いてくれる空が また灰色の雲が集まってきた。


しばらくすると次の駅が見えた。早いな。オレは座っていた日向の席から立ち上がり 下車するために扉の前にたつ。プシューという音がしてドアが開く。ホームには オレしか居なくてコツ、コツと足音だけが響く。


ポケットから切符を取り出して改札へ。
外とホームを阻むものは改札しかなくて 切符を通して外へ出ると、オレは目を疑った。


「ただいま、隼人。」
「なんで、」
「・・・お帰りって言ってくれないの?」
「おか、えり。」
「疑問ばっかの顔してる。」
「いつ、帰ってきた。」
「今日。」
「なんで、ここに。」
「なんとなく、来る気がしたから。」
「オレが?」
「もちろん。」
「いや、なんか。」
「少し、背伸びた?髪も伸びたみたい。」
「半年でそんな変わるかよ。」


といったものの目の前のはとても髪がのびててオレよりよっぽど大人っぽくなっていた。


「ねぇ、私が出発するときに隼人が言ってくれた言葉覚えてる?」
「あー・・・あぁ。」
「じゃあ、早く。」







記憶ホームと







春風スナイパー


(帰ってきたら、めいっぱい抱きしめる。)






20080826***潮音