「ごくでらー!!」
「んだよ、うるせぇな。」
「今年も同じクラスだね!」
「は?」
「うお!席までとなりじゃねぇですか!なにこれ、もしや運命かしら!」
「…最悪だな。またこんなうるせぇのかよ。」
「なんだとー!聞き捨てならないですな。私だって静かな時は静かだもん!」
「そん時だけだろ。」


まじ溜め息が、でる。なにがどうなってコイツとまた同じクラスになんざならないといけねぇんだ。長い様で短 い呑気な春休みを終えて新学期が始まり、当たり前の様にクラス替えがあって、ちなみにオレと十代目と山本は同 じ2‐Aだった。メンバーはそのままの顔触れでまさに最高のメンツ(山本はどうでもいい…)と言えた。まぁ …一つを除いては。「ねぇねぇごくでら!春休みなにしてた?」「宿題終わった?私まだなんだぁ…。」「あの映画みた?面白いよ!」 とか…ずーっとテンポよくぎゃーぎゃー言いながら延々と喋り続けて来る とかいう馬鹿がまた同じクラ スになってしまった。しかも、更に最悪なことに今回は席までとなりだという。これで少なくとも一学期間はや っていけというのか…これは拷問か?うるさすぎて授業すら静かに受けられねぇ。まぁ受けなくても出来るから いいんだけどよ。とにかく、ずっとうるせぇのは叶わねぇ…。


「あー!うるせぇな少しは静かにしろ!」
「なんだよーう!せっかく話しふってんのに!」
「こっちは静かにしてたいんだよ。」
「ごくでらさ、そうゆう風に言うけどツナ君達と居ると私よりうるさいよ。」
「んな!そ、それは十代目が…」
「ふーん。ごくでらってなんでも十代目でつまんなーい!」
「つまんない奴で悪かったな!」
「…もう少しぐらいかまってくれたっていいじゃん。」
「あぁ?なんだよ。」
「なんでもなーい!」


ったくやっと静かになった…まじずっとぎゃーぎゃー言われて静かにうんうんて話聞いてんのも意外と疲れんだ からこっちの身にもなってみろってんだよ。


「あのさ、」
「あ?」
「私ってそんなにうるさいかなぁ・・・。」
「うるせぇな、うん。」
「そっかー・・・。」


うお!なんなんだよ・・・いきなり暗くなりやがって気持ちわりーな。何時もコレぐらい言った所でへこまねぇのに。 ちょ、やばかったかもしんねぇ・・・。!いや、そんな心配はいらねぇな。すぐ元気になるだろ。あーぐうたら授業 とかまじめんどくせー。でも、新学期だからって生活はいつもどおりで昼は十代目とオマケつきでくったし、授業も ちゃんとうけた。唯一つ違ったのはいつまでたってもが沈んだまんまだったこと。そのまま帰りのHRも終わって 教室の奴らもまばらになったころ、いきなりがオレに話しかけてきた。声、久しぶりに聞いた気がする。ずっと、 聞いていなかったようなきがするほどに。


「ごくでらは、うるさい女は嫌い?」
「人によるだろ。」
「そんなものなの?」
「そんなもんだろ。」
「ふうん。」


いきなりなんだ。いきなり話しかけてきたと思ったら「うるさい女は嫌い?」かだと。なんだか、拍子抜けした感じだ。 俺はいったいのどんな言葉を待っていたのだろう、望んでいたのだろう。山本と十代目はまだ掃除から帰ってきては居ない。 まだ、なにか、ある。


「おまえ、今日一日ずっと静かだったな。」
「うん。」
「お前らしくねぇじゃねぇか。」
「・・・。」
「なんか、言えよ。」
「・・・、く・・ら・・い・・。」
「は?暗い?」
「ごくでらがうるさいっていったから!!!」


は声を教室いっぱいに張り上げた。ビリビリビリビリ。教室にひびく。俺の鼓膜が震えて脳が言葉をキャッチする。いったいどれくらいの 時間がたったのだろうか。わからない。はないてる。だんだん縮んでいってぺタリと床に崩れていってしまった。俺はの近くへ行く。


「おい、いきなりどうしたんだよ!」
「どうも、しな、い、よ。」
「どうもしてるだろ!おい、しっかりしろよ!」
「・・・。」
「首ふってるだけじゃ分かんねぇだろ!お前今日様子おかしいぞ!」
「・・・き。」
。」
「す、き。」
「・・・あ?」
「ごくでらが、好き。」


泣きながら、言われても、なぁ。


「・・・それで、お前はどうしたいんだよ。」
「・・・へ?」
「俺のことが好きなんだろ?」
「う、ん。」
「で、お前はどうしたいんだよ。」
「・・・ごくでらの、そ、ばに、いたい。」


のその言葉を聴いた瞬間に俺はをきつく抱きしめる。つぶれてしまえ、つぶれてしまえ、つぶれてしまえ、つぶれてしまえ、ってぐらいに。 確かに、俺はうるさい女なんか好きじゃない。でも、は違う。俺は、ちがう。俺もお前が好きなんだよ、がすきなんだよ。バカ野郎。俺頭おかしくなったかも しれねぇな。


「バカ野郎。」
「え?」
「しょーがねぇから、そばに居てやるよ。バカ野郎。」
「うそつきは、嫌だよ。」
「じゃあ、お前が俺が嘘ついてるかついてないか見極めろ。」
「ごくでら、悪魔みたい。どっちがバカ野郎だ、好き。」











総括、恋心







5115番ゲッター花音さんにささげます。
遅くなりました。甘く・・・なってるのか?!

倖 燗拿20070415