「ねぇ、なにしてるの。」 「浮いてるの。」 「・・・は。」 変な事を言う。浮いている?しっかり床に足が着いてるじゃないか。床に座ってるくせに、地に付いてるくせに浮いてるだって? 僕はの言葉が理解できなかった。時々は変な事を言うのだけど此処まで謎な言葉が出てくるとは思わなかった。 僕は、もう一度に声を掛けてみる。 「。」 「なぁに。」 「さっきの言葉の意味は?」 「言葉の通りよ。」 「・・・浮いてるってこと?」 「そう。」 ・・・全く意味がわからない。浮いてるっていわれてもなぁ。浮かれているの間違いじゃないのかな。僕には、到底の気持ちなんて 検討がつかない。浮いている。ういている。ウイテイル。なんだ?気持ちが?気分が?自分自身が?全く分からない。表情を見たところで 無表情とまではいかないが寂しそうとか泣きそうとかいう言葉が当てはまりそうな表情をしている。見ていると接していると、こっちも気分が 落ちてしまいそうになる。 「えーと、イマイチ・・・・。」 「いいのよ、ひばりには分からなくて。」 「なに、その言い方。」 「・・・どっちかと言うと分かっては駄目、ね。」 「なぜ?」 「心臓が重くなってしまうから。」 「・・・気持ちが、じゃなくて?」 「まぁ、そうゆう言い方もあるわね。」 「で、それ「とにかく、分かっては駄目。」 僕はに無理やり言葉を押さえ込まれた。何故、そこまでが心を閉ざすのかは分からない。多分気持ちが落ちているせいか? 何となく重くのしかかるその言葉に僕は否応感を覚えた。を崩す気持ちなど飛んでいってしまえよと思った。確かに、の言葉は 変だし(言葉というか表現が)意味不明なことが多々あるけれど、その言い方はとても言葉一つ一つが生きているようなのだ。それ自身が とても大きい。なぜか引き付けられる、重くのしかかる。それは、地上の何かではなくなっているように。なにか、暗号のような塞いだ言葉。 言葉の奥の奥にさらに意味あるように。 「なんで、そこまで否定するんだい?」 「・・・こんな気持ちになるのは私だけでいいからよ。」 「二人で思えば何か変わるかもしれない。」 「変わらない場合だってあるわ。」 「やってみなくちゃ、わからない。」 「多分、私の変なことばでは分からないわ。」 「・・・じゃあ、いま感じてることは?」 「・・・・。」 しばらくだまりこんで口を歪める。そして口を開く。 「日々が鈍って蒼い砂が降り積もる。誰のせいでもないのに私は哀しくなる。」 「うん。」 「すべて溶かして振出しまでもどれたらと。」 「うん。」 「朝焼けが凍り付いて目に映って、海に月が沈んでまた上る太陽に私は迷子になる。」 「・・・・。」 「夕景に夜が音を立てて迫って光は追い出される。」 「。」 「そして、遣り込めるようにして灰になる。」 僕は、を抱きしめた。言葉を一つ一つ言ううちにの頬には涙が伝っていっていた。決して涙は拭わずに言葉を綴るがとても哀しかった。 そして、僕は一言に告げる。 「一人じゃないから。僕が、君の影だ。」 そう言うと、は僕の服を必死につかんで泣き喚いた。安心したようだった。 世界は
ダッチロール (僕は君の言葉で異次元を回遊する。) うーん。。。 20071027 鵠沼 杵多 |