「ひばりくん、居ますかー?」



僕が応接室で仕事をこなしているとまのびしたの声が聞こえた。僕は一言だけ「いるよ。」とだけ伝えてを応接室の中へ入れた。 休みの日なのに学校まで来て何の様だろうか。でもちゃんと、制服できていてえらいと思う。まぁ、僕が言ってるからでもあるんだけど・・・。 僕が居るのを確かめると笑いながら応接室へ入ってきてそのまま、応接室にある革張りの黒い椅子に座った。


「ひばりくん、休みの日まで仕事なんて大変だねぇ。」
「まぁ、それは仕方がないよ。」
「そっかなぁ・・・。」
「僕の役目だからね。」
「せっかく暖かいのに、出かけてみても良いじゃん?」
「また今度ね。」
「むぅー。」



は頬を膨らませながらぽすっとソファの背もたれにうなだれた。そのままぼーっとしていてはっ!と思い出したように席を立って 大声で「そうだ!よし!」と言ってバッグを持っていきなり応接室を出て行ってしまった。いったい何なんだろうか。さっき来たばかりなのに すぐに出て行ってしまうなんて・・・。でも、僕は風紀の仕事が溜まっているためにそんな事を気にせずに仕事を続けた。



一時間ほどしてが応接室に戻ってきた。ばたーん!と大きな音がして応接室のドアが開いてがにこにこしながら片手に花を 抱えてほかにも買い物をしたようでいろいろもっていた。僕はビックリして思わず仕事をしている手を止めてしまった。


、どうしたの。」
「あ、うん!ただいまひばりくん!これ、アネモネ!赤いの!」
「あぁおかえり・・・。ありがとう。」
「あのね、一緒にお菓子とか食べようと思って買ってきたの。」
「・・・・ありがとう?」
「今準備するからまっててね!」



そういっては応接室のテーブルの上にお菓子を皿に盛り、飲み物をコップについでちゃくちゃくとお茶の準備をし始めた。それにしても いきなり、本当になんなんだろう。は短い髪を窓から入る少し湿った風でなびかせながら短いスカートを気にして、たまに目が合う僕に にこりと笑いかけた。僕は思わずむすっとして目をそらしてしまったのだけど、それでもはうれしそうにクスクスと笑っていた。あ、今の 顔かわいいな。



「ひばりくん!仕事はいったん終わりにしてお茶しよう!」
「うん、そうだね。」
「本当はね、ケーキとか用意したかったし、プレゼントとかも用意してあげたかったんだけどお金がなくて・・・。」
「なんのこと?」
「え?ひばりくん忘れてるの?」
「え、え?」
「今日、ひばりくんの誕生日でしょう?」

あ!しまった!自分の誕生日なのに忘れていた・・・。でも、忘れるのも当たり前だろう。特に毎年祝ってもらったりとかはなかったから。 まぁ、草壁は律儀に毎年僕に何かしらはくれているけれど。そこまで思い入れはないし、誕生日なんていうものも僕はさほど興味があるわけではないから あー、それでもが祝ってくれるのはうれしいかもしれない。しかも、ちゃんと覚えていてくれたなんて。



「あぁ、そうだったけ。」
「そうだよ!忘れてたの?」
「別に、興味ないから・・。」
「興味とかじゃなくて!嬉しい日なんだよ?」
「・・・・。(そんなものなのかなぁ)」
「うーん。やっぱりケーキとかプレゼントとかあったほうがよかったのかなぁ。」



・・・・。僕は本当に馬鹿かもしれない。がここまでいろいろ必死に考えてくれてるのに興味ないなんていって馬鹿だろうか。、僕は別にケーキは 要らないし、プレゼントだって要らないよ。ただ、僕はがいつまでも僕のそばに居てくれれば何も要らないんだよ。僕は君が好き過ぎて死にそうなんだよ。 もう、なんていうかが僕のことを思ってくれているだけでそれだけでとっても幸せなんだ。この暖かい風だって、鳥の声だって風紀の仕事だって君がそばに さえ居てくれるんだったら全部、全部好きになれる自信があるよ。だから、そんなに。



「要らないよ。」
「え?」
「なにも、要らない。プレゼントだってケーキだって、何にも要らないよ。」
「どうして?」
「僕は、が僕の事を考えてくれてるだけでうれしいし、休みなのに僕の所に来てくれて必死に僕の誕生日を祝おうとしてくれてるだけでうれしい。」
「ひ、ひばりくん?」
「だから、僕にとってはそれだけでうれしい。十分なプレゼントだよ。」
「ひばりくん、恥ずかしい。」
「なんで?」
「いつもと違うから。」
「そうかな。」
「うん、絶対。でも、ありがとう。あのね、私の頭の中はいつだってひばりくんだらけだよ。しかもね!今日は確かにすっごく暖かいけどなんだか、ひばりくんがそばに居てくれてるから 余計にあったかい。」
。」
「なぁに、!」



めいっぱい、キスする。



「ありがとう。嬉しいよ、プレゼント、いま貰った。」
「キスだけでいいの?」
「うん、十分。もう、死んでもいい。」
「え?死んじゃだめだよ!」
「死なないよ・・・。比喩表現。」
「おーおー、そうか。」
「うん。すき、。」
「うん。すき、ひばりくん。」
「まねっこかい?」



幸せってなんだ、祝うってことか。










もう、んでもいい











おおおおおーくれてしまってごめんなさい!無責任ですみませ・・!
今回は参加させていただきありがとうございました!
倖 燗拿20070505