を、泣かした。 別になにかあって怒ったわけでもなにかにイラついて八つ当たりしたわけでもなくて。 ただたんに僕が悪かっただけ。なにしてるんだろう。好きなはずなのに。愛しくてたまらないのに、僕はなにをしてるのか。 どうしようか、どうやって今の思い伝えようか。でもきっと今すぐというのは、きっと無理だろうなぁ。 のあんな顔見たの初めてだったからすごい衝撃を受けた、というか「あぁ今僕にすごくひどい事したんだなぁ。」 って思った。僕がこうゆうふうに言うから大げさかもしれないけど好きだから仕方がない。は今まで僕が生きてきた中で、 僕が見てきた中で、話した中で一番素敵な人だと思う。初めて会った時も周りの奴はいつもみたいに僕を避けて、頭をさげて ただひたすら怯えて震えて逃げていくのにだけは違って笑顔で僕に「こんにちは、雲雀さん!」って声をかけてきた。 流石にそんなふうに接しられたのは初めてだったからこれには驚いた。笑顔でかえすとにっこりわらって「えへへ」といいながら (なかば友達に強引にひっぱられて)帰っていった。それから、を応接室に呼んだりして話して、話して、好きと伝えた。 「はい、私もすきです。」と無邪気に笑って答えてくれた。このとき、あぁこうゆう瞬間が幸せって言うのかなって心底思った。 君とただ日々をただ一緒に過ごすことで僕は変わったと思う。いろんなものを嫌う、といったらおかしいけどいままで気にも とめなかったことも気にしたり。本当に。でも、いつもみたいに群れてる奴らを潰して血まみれで帰ってきても、ただ黙って制服の 替えを持ってきてくれた。僕には何も聞かずに、ただだまって。そのあと何をしてるのかと思って、もちろん気づかれないように を追いかけてみたらただ悲痛な表情を浮かべて血まみれの僕の制服を洗っていた。このときちょっと罪悪感というものを 感じた。どうしてそんな悲しそうな顔するのどうして泣きそうなの。でも、仕方が、ないんじゃない、かな。きっとが優しすぎるから いろんな人を大切にするから、愛でるから、何かいろいろ思っちゃうから。今まで愛されたことなかった僕はから来る温かさを 愛と信じて受け取る。自惚れてもいいか、きっと僕は君に愛されてる。だから僕は人一倍が大切だし愛している。時々思う。 の笑顔を見たり明るく話してくれたりする時に僕は黙って聞いているのだけど、君がこの世に生まれてきた事が信じられない ほどの奇跡だったんじゃないのか、世界中に人なんてヒトなんて人間なんてニンゲンなんて数えきらないほどいるのに すごく低い確率なのに僕とはであった。コレはもう奇跡というしかないんじゃないかな。は「人ってさぁ、地球ってさぁ、 みんなみんなが奇跡で出来てて偶然は必然じゃないから素敵で美しいんだろうね。」って言ったときにすごく同意した。 君が生まれてきたことも奇跡で僕と出会えたことも奇跡で偶然は必然じゃないってわかって、君といる時間はすごく素敵で、 美しくて本当になんだろう、うん、上手くはいえないけど多分奇跡、きせき、キセキ、だらけで僕たちが成り立ってるって分かった。 で、僕が言いたいのは。 を泣かせてしまったことも一種の奇跡であって偶然であって。僕は君がすごくできた美しいヒトでなんのためらいもなく 僕の事を愛してくれたいるんだって思ってた。でもやっぱり僕がを泣かせた時の君の表情はすごく打ちのめされたように 、この世の終わりのように目を見開いて口元が震えていた。しまった。とおもって近づいてただ一言「ごめん。」て言おうとしたら 本当にビクって震えた。本当に僕を避けるかのように体を横にずらした。そう、いつも僕を避ける奴らのように。 前言撤回。だってどこかしらで僕の事怖がってたんだ。だから僕が思ってたはすごくできた人間で美しいヒトなんだ っていう解釈は間違っててだってごまんといる人の中の一人で美しいのは変えられないほどの事実だけど「できた人」 っていうのは違った。僕がそうゆう風に思ってしまったのはきっと、僕にないものをが全部持っててが持ってない ものを僕が持ってて。だからきっと僕たちの関係は成り立っていたんだ、確かにしっかり。ただひとつのことで、ただひとつの きっかけでそれが崩れたんだ。昨日守っていたナニカを僕は今日壊した。なんて些細で馬鹿らしい理由で。 どうして、守ってたのに成り立ってたのに。愛してたのに、愛でたのに。奇跡で偶然だったのに。 奇跡と偶然は幸せの塊みたいに人は言うけど時にそれは爆弾でミサイルで。時に奇跡と偶然は最悪の塊で不幸の固まりになる。 僕だって君みたいに世界を、人を、偶然を、奇跡を愛せるのだろうか。いつか君みたいに輝けるのかなぁ。笑えるのかなぁ。 なんで、あんなこといったんだ。なんで喉から、口から、出てしまって、なんで空気から、振動から、の耳に届いてしまったんだろう。 言葉は時に残酷だよ。音は残酷だよ。くるしいなぁ。何で掴み取った幸せを自分の過ちで壊して崩して離れようとしてるんだよ。 馬鹿みたいじゃないか。ふがいない、ふがいない。生まれて初めてだ自分がこんなにふがいなく思えたのは。 明日はもっとを大切にしよう。愛そう、愛でよう。守ろう、壊したものをまた積み上げよう。そして、今日起こった偶然と奇跡を 恨もう。だから今僕は、右手にバイクの鍵を握って左手に携帯を持って。いつも以上に今日恨んだ以上に奇跡と偶然を信じて に電話しよう。ふがいない僕で、ごめんね。こんな僕でごめん。もう一度。 最後の最後まで、僕の命が尽きるまで。目を閉じるまで一分、一秒、一瞬だっていいから君を見たいから。そばに居て欲しいから。 君を愛すために君に愛されるために僕はふがいない自分を背負って僕らの世界がつづくまで君を愛すと誓うから。 今日の過ちが明日の幸せにつながりますように。 この世の限り
椎名林檎「この世の限り」本日発売。素敵でした。 倖 燗拿20070117 |