「うっく・・・キ、キョウヤのばかぁ・・ひっく・・」
今日遊んであげるはずだったんだけれども風紀の仕事があって遊べなくなったと、に伝えたら大きな声で泣き出した。僕だってもう中1なんだ。もう小さい君のお願いはそう簡単に聞けないよ。ひとつ溜息をついて、学ランのポケットから飴を取り出して口をあけたまま泣いているの口にほおりこんだ。びくりと体を震わせ、口を閉じて飴を舐め始めた。(う、わ 可愛い)
「ごめんね。今日は僕本当に忙しいから遊べないんだよ?」
「う、ん。知ってるよ知ってるよ、キョウヤ。だけれどね、もキョウヤと遊びたいの」
「キョウヤじゃなくてお兄ちゃんでしょ?僕だってと遊んであげたいよ。でも風紀っていうお仕事があるの?も幼稚園があるだろう?それと一緒」
本当は、風紀の仕事と幼稚園は一緒のような訳がない。は幼稚園で折り紙折ったり、遊んだり、お菓子を食べたりするだけだ。気付けば、いつの間にかこんな小さい妹でも6歳になって今年の4月から小学1年生。変な虫がつかなければいいけれど。
「うー・・・だって、キョウヤお兄ちゃん最近遊んでくれないし・・・」
「ごめんね。明日はずっと一緒にいよう?」
「ほんと!?」
「うん本当」
「じゃあ今日だけがまんする!」
にこりと笑うと笑窪が見えた。やっぱりは母さん似だな。こんなにも妹を愛しいと思えるのはやっぱり僕が父さん似だからかな?あ、やだな、それじゃあ僕がシスコンみたいじゃないか。でもそんなの関係ない、本当にが好きだから。将来、がどれだけ美しくなるんだろうと思うと嬉しくなって額にキスをした。
まばゆい夢の欠落部分
(君が愛しくて心がくすぐったいよ
)