僕が今立っている現在ともうすぐ僕が立つであろう未来との間には 何歩分かの隙間があって、それはどんなにがんばっても越えられない ものということを僕は分かっているから、今も僕はを愛していられるんでしょう。


人間なんてね、君が思うほど複雑じゃない。
単純なところもとっても多いんだよ。
ほらその口を今すぐに閉じなさい。
すぐに死にたいなんて言わないで。
生きていたっていいじゃない。
必要なくなんかないんだ、
じゃあ何で僕は今君の前に立っているんだと思う?


「・・・わからない。」
「ヒツヨウだから、ですよ。」
「なんで?」
「なんでか、ですか。好きとか愛とかにはカタチがないから説明しづらいですけど。」
「・・・。」
「今の僕にはが必要で不可欠なものなんです。」
「・・・。」
「ほら、僕だって泣いているでしょう。君を失いたくないからです。」


ああ、君の綺麗な瞳が大洪水だ。そんなに、苦しいなら僕にもっと 頼ってくれてかまわないのに。僕がそばに居て、君の真っ黒くなってしまった世界を 白く塗りなおして最初からカラフルにもっと色づけてあげようじゃないか。 この地はいつか朽ちてしまうから、今生きている意味なんて分からなくなってしまう だろうけど、大丈夫。本当に朽ちてしまいそうなときは僕も一緒に朽ちるだろうから。 たぶん、が真っ黒くなってしまったのは、この世界がこんなにも多彩なのに無色で 惑わされやすかったからでしょうね。それでも、かまわない。


。」
「ムクロ。」
。」
「ム、クロ」
「さぁ、」


抱きしめたら君はいとも簡単に崩れてしまった。僕はそのまま君に口付けをする。


「おやすみ、。」


息耐えてしまったかと思うほど、













暑い日、








世界は








崩壊する



(すべて、夢の話ですよ。きみは今も僕の横で笑っている。)













***潮音 20080820