今、夜9時46分。
当たり前だけど外は真っ暗で、冬だからもちろんの事寒い。
一人で、うん。一人で街のちょっと端っこにあるお洒落なお店のテラスに座って街の明かりを眺めながら 食後のデザートとあったかい紅茶を飲みながらぼーっとしていた。




本当は今日私の目の前には骸が居てくれるはずだったの。
うん、本当はね。でも、会えないのは仕方がないことなの。
だって骸は今、牢獄に居るから。



この間、一度だけ見れたの。千種とか犬ちゃんには内緒でボンゴレの戦いを見に行った時貴方をみたの。 変わらないその姿をみて、声を聞いて。眼光がはっきりとした目を見て、強い貴方を見て。私はあえなくなったときからの想いとか、 骸と過ごしてきた日々とかいろいろなことがどばーってこみ上げてきた。でも、何ひとついえなかった、何、ひとつ。馬鹿みたいだった。 息を殺して、声を殺して、出てくる涙を一生懸命ハンカチで拾って。もう、ハンカチがハンカチの意味をなさないくらいに泣いて、とまらない。 一言でいいの。そう、一言言うだけでいいの。『大好き』って。『今でも前と変わらずに愛してる』って。なのに声が出ない。否、出してはいけない。 でも、叫びたかった。どうしても。首にロープが巻きつけられたみたいに苦しくなって、小さく、本当に小さくつぶやいたの。




『・・・っ・・ひぐっ・・・骸・・・!』


そしたら一瞬だけ、本当に幻聴だったのかもしれないけど骸の声がしたの。


!泣かないでくださ・・・い・・・すぐ帰り・・・ます・・。』


はっとして顔を上げたけど貴方はもう消えた後で。

あぁ、どうして。私も一緒に連れて行ってくれたらよかったのに。
牢獄でも愛なんて変わらないもの。ずっとそばに、居て、あげたい。










どうして、あなたは一人で


行ってしまったの。




どうしてあなたは


そんなに優しいの。




どうして私はこんなにも


貴方を愛してるの。




ねぇ、どうして、どうして。


私の声届いていますか。




好きです。愛しています。



答えてください、私の声に!













突発的!
倖 燗拿20061226