「ごめん、なさい・・・。ごめんなさい・・・。」
「っの!うるさいわね!黙りなさい!」
「や、やめて。お母さ・・・!」
「何度言ったらわかるの!」


私は、殴られ続けた。何度も何度も母のこぶしが体に降りかかってきた。毎日、毎日増えていく青あざ。昨日はお腹と肩。 今日は、目と頬。痛いなんて感覚などもう麻痺していた。母は父が他界してから変わった。でも、いきなりじゃなくて最初は 「父さんがいなくても二人で頑張ろうね。」と言って私の事を抱きしめながら頭を何度もなでて言ってくれた。なにがきっかけだったか は分からないけど、私が学校から帰ってきたらリビングのソファにお母さんがもたれ掛かっていて私を見るなり何も言わずに ただ黙って叩いてきた。最初は、私が何かしちゃったのかと思ってなんとも思わなかったけどあきらかに何か違った。 どんどんひどくなっていってコレは虐待、だと確信した。でも、何も出来ない。何もいえない。帰りたくなくても帰らなくちゃいけない。 苦痛、だった。本当に殺されるかと思ったときもあった。


本当にもう死にたいと思ったから、その日だけはずうっと学校の屋上にいて授業をサボって静かで誰にも邪魔されない 時間を満喫してひさしぶりに”幸せだなぁ”って思いながら本読んだりしてた。それから朝コンビニで買ってきたお昼を一人で 日の光を浴びながらぽかぽか陽気の中サンドイッチにかぶりつこうとした。その瞬間バーン!と屋上のドアが開いてビクッ!って本当に びっくりした。誰かと思っておそるおそる入り口の方をみたら同じクラスの六道君と城島君と柿本君がいた。向こうも 相当びっくりしたみたいでちょっとの時間沈黙があった。最初に城島くんが入ってきて「あれー?じゃん。」って言いながら 私のもとに近づいてきた。その後ぞろぞろと六道君と柿本君が入ってきて城島君と同じように私の周りに座った。 ちょっと・・・怖かったからチミチミと離れようとしたら六道君が「さん、どこへ行くんですか?」って言ってきてば、ばれてた!? って思って「あ、いやっ、ちょっと、」おもいっきしどもった。「一緒に食べましょう、お昼。」え、。「い、いや私はいいよ!」 「どうしてですか?」そこまで言われると・・・特に断る理由もなかったから「じゃあ・・・お言葉に甘えて・・・。」「どうぞ。」 何だかよく分からないけどとにかく一緒にお昼を食べることになってしまったのでそのまま場の流れで・・・・。 イロイロ話したけど、一番触れられたくないことを聞かれてしまった。


「なんで、そんなにあざだらけなんですか。」

あーあー。うー、、説明、しづらい。

「そうらよー。しかも増えてるよなー。」


いきなり城島君が私の頬に手を当ててきた。条件反射で、まちがって手をはたいてしまった。


「やっ!」


息が、あがった。動悸がして苦しくなって、涙が出た。


「なにか・・・理由があるようですね。」


ここまできたら仕方がない。


「虐待、受けてるだけ・・・。」


言ってよかったのかな。


「・・・・虐、待ですか。」


少し目を見開いて六道君が言ってきた。城島君はきまづそうにして。柿本君は変わらない様子。


「うん、もうやになっちゃったから今日は一日学校サボって静かにお日様の光でも浴びてぽかぽかお昼食べて みんなが下校して先生も帰って真っ暗になったら、」


まで言ってとめた。”自殺する”なんていったらまずいだろう。


「真っ暗になったら、?」


やっぱり普通は聞き返しますよね。でもそれで支障がでるわけじゃないし・・・。


「死のうと思って。」

「どうやって。」

「飛び降りるの。」

「死ねないかも、しれませんよ?」

「手首切ってから、落ちるの。」


そうだ、確実に死ぬんだったら手首ぐらい切った方がいいね。


「やめなさい、」

「ほら、みんなそうゆうから。でも、やめない。きめたの。」

「じゃぁ、さんは僕たちのこと嫌いですか?」


なんで、いきなり?


「は?」

「だから、僕たちの事好きですか、嫌いですか。」


なんで?意味わかんないんだけど・・・。


「うー、ん?嫌いでは、ないよ。普通。」

「そうですか。」

「どうして?」

「貴方に覚悟があるなら僕たちと一緒にいませんか?と」

「・・・・?」

「僕たちはいろいろと事情がありまして3人で暮らしてるんですよ。」

「そうなの?」

「えぇ。料理とか、掃除とかは好きですか?」

「え?!好きじゃないけど出来るよ。」

「それじゃ、決まり、ですね。」

「へ?何が?!」

「死ぬぐらいなら僕たちのそばに居て欲しいだけです。」

「ど、して?」

「さぁ、どうしてでしょうね。」


どうして?私の今日の自殺計画はどうしたの?


なんでいきなり六道君たちと住むことになってるの?



「それは、僕が君のことが好きだからですよ。」


好き?すき?スキ?六道君が私のこと?


「す、き・・・・?」

「えぇ。」


すきなんて、言葉聞いたのいつぶりかなぁ。

涙がでちゃうじゃんか。もう死ねないじゃんか。

最初の目的なんだったけなぁ。

もう、なんなんだよ。


「一緒に居てくれます?」


「うん。そっちに居たほうが幸せになれそうだから。」

「そうですか、じゃぁ僕の後についてきなさい。」

「ありがとう。私のこと、好きなんて馬鹿だね。」

「よく言われます。僕がさんを救うから。」


握られた手は暖かかった。


歩き出した貴方の後姿はかっこよかった。


柿本君と城島君もあたたかく迎えてくれた。


お母さん、ごめんなさい。はもうお母さんの所には帰りません。


今まで育ててくれてありがとう。お父さん、ありがとう。バイバイ、私の家族。


幸せって、なにかな。


喜びってなにかな。


それは、きっと貴方に出会えた事。


私はこれからの一生を全身全霊をかけて六道君についていくの。


いつだって、あなたの背中追いかける





死亡率100%−六道 骸=死亡率0%
















結論:幸福


















よく分からない短編。
倖 燗拿20070223