はっ、はっ、はっ。私は、夜の暗い道を走る。走る、走る、走る!! 真っ暗で前が見えないの、お月様の優しい光とか、お星様のキラキラの光も届かないほどの真っ暗な夜。 本当に真っ暗で、静かで、なーんにも見えない!いつも歩いてる道だけど、転んで、しまいそう! ちまっこい穴とか、ごろごろしたいしっころとかに足元を奪われて、転んで、すりむいてしまいそう! でも、気にしない!とにかく走って走って走って、足が千切れそうなぐらい一生懸命に走ってあの人の下へ!! 途中で、空の上だけ変に明るいから上を見上げると涼しげなの雲がふわふわ、どっしり、と浮いてて音もなく 町のふもとにある海の方へと、水平線の奥へと流れていく。追憶の海へ連れてゆく。まるで、さよならしてるみたいに。 寂しく感じて涙が出た。急ぎ足で走ってきた道はとっても乾いて砂っぽかったけど、私が落とした涙の部分だけやけに湿っていた。 でも、いまは雲にお別れを言っている場合じゃなくって貴方の元へ行かなくちゃ!また、私は走り出す。 やっと、やっとのおもいで、走って、貴方のおうちへつきました。私は一人で住んでいる貴方のおうちの目の前で貴方の名前を叫びます。 「むーくーろー!!」 それは、それは、大きな声で貴方・・・えーと、つまりは骸の名前を叫びます。天までとどけー!ってぐらいに。いや、でも骸に届けばいいんですけどね。 そうすると小さな金属音がしました。家の中にはちらりと明るい光が。鍵が開いて、骸がでてきました。 「おや、じゃないですか。また、こんな時間に家を抜け出してきたのですか?」 「うん!だって骸に会いたかったんだもの!」 「まったく、しかたのない子ですね。」 「む、なんだよう!」 「外は、寒かったでしょう。中にどうぞ、ほっぺが真っ赤ですよ。」 「・・・ありがと。」 なんだかんだ言って優しく迎えてくれる骸です。だから、大好きなんだけど。骸はすぐに私を椅子に座らせ、あたたかいミルクを出してくれた。 とーっても甘いを。おまえ、コレは砂糖入れすぎだろってぐらいに。もしかしたら、糖尿病になるってくらいに。(どんだけ砂糖いれてんだ) ま、冗談だけど。それにしても甘かった。そしたら奥からブランケットを持ってきてくれて私にかけてくれた。ミルクも飲み終わって、 骸の家にあるおおきくてふんわりとしたソファに骸と二人で座る。すると骸が私の顔を覗いて、それからじっと私の事をみて、私の頬を触る。 「・・・。、泣いていたのですか?」 「なんで?」 「頬に、涙のあとがありますよ。」 「うそ?!あー・・・あー、あれだ。」 「なんですか?嫌なことでもありましたか?」 「ううん、なんにもなかったよ。でもね。」 「はい、」 「骸の家まで来る途中にね、一度立ち止まって空を見たの。そしたらね、お月様の優しい光とかお星様のキラキラの光に照らされた空にね 涼しげなの雲がふわふわ、どっしり、と浮いてて、夜だから当たり前だけど、音もなく流れて行っててね、町のふもとにある海の方へと、 水平線の奥へと流れていってて、まるで、さよならしてるみたいにしっとりと流れていくから、なんだか寂しくなっちゃて。」 「泣いた。のですね。」 「うん。」 私が泣いたわけを骸に言うとそのまま少しの間黙って何かを考えていた。私、なにか悪い事言っちゃったかな?っておもって焦ったけど とりあえず骸の言葉をまつことにした。そのまま5分・・・6分・・・7分・・・とどんどん時間が過ぎていくので不安が一杯になって 骸に声をかける。 「む、むくろ?私、なにか変な事いっちゃた?」 「、いえなんでもないですよ。」 「でも、ずっと、だまってたから。むつかしい顔して。」 「の事を考えていただけですよ。」 「私のこと?」 「えぇ。」 「なにを考えていたの?」 そしたら、骸がもぞっと動いて私にもっと近づいて手を伸ばしてきて私をその優しくて大きなてで抱きしめた。ぎゅーって抱きしめた。 何にも言わないで、ずっと抱きしめられた。むくろのにおいがする、暖かい、くるしい、恥ずかしい、気持ちがおちつく。 耳元で「。」と名前が呼ばれたので「はい。」と返事をすると骸がなんか言ってくれた。そう、とってもやさしくて素敵な言葉を ささやいてくれた。でも、私はそれよりも先に安心して瞼を閉じて眠りについてしまった。 |
「それは、それは、綺麗な心だ。
汚してしまいたい
ほどに。」
めるへーん。・・・なのか?
倖 燗拿20070408