世界は輝いてるはずなのに私には輝いて見えない。 どうしてなのかなぁ。なんて考えているとため息が出てしまう。これでは自分から 不幸になりたがってるみたい。口からはどんなに止めたくてもため息しか出てこない。 自分の部屋は少し散らかっていて、まだ掃除はいいかな。と言うくらい。窓は開け放たれていて 少し風が入ってくる。空には千切れ雲。鳥の声と木々のざわめきが聞こえてくる。薄暗い部屋の なかで勉強机に頬杖をついて壁とはにらめっこ。つまらない。淡々と過ぎていく日々がとても、 つまらない。何でこんなに平々凡々なんだろう。でも実際これが一番幸せなことなのだろうけど。 ガタリ、私は立ち上がって部屋をでる。 靴を履いて外に出ると風に包まれるような感覚に陥る。しばらく歩いて商店街にでる。 季節が変わって新しい商品が店先に並ぶ。特にお金を持ってきたわけではないので ウィンドウショッピングをする私って相当寂しいかもしれないな。 ・・・寂しい? バカばかしい。寂しいことなんてない。愛されたいとも思わない。誰かに愛されたいと思うなんて、バカバカしい。 私はいつだって一人でいいの。もしくは、一人がいいの。誰かの干渉なぞいらないのだから。家ではいつだって一人なのだから。 「あれ、さん?」 突然背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。びっくりして後ろを向くと普通の男の子より少し小柄な 沢田君がそこには立っていた。へにゃりと頼りなさそうな笑顔をを浮かべている。 「沢田君?」 「うん、こんにちは。」 「こんにちは。」 「どうしたの?散歩?」 「うん、そんな感じ。」 「そっか。ねぇ、今から少し休憩しようかなって思ってたんだけど一緒にどう?」 「・・・うん、いく。」 沢田君にお茶なんて誘われるなんて思ってもなかったなぁ。沢田君て時々変な人だなって思うけど いい人。こんな私なんかにかまってくれるんだもの。沢田君は「紅茶でいい?」といって紅茶を おごってくれた。私はお礼を言って一緒に座る。 「ねぇ、さん。」 「なに?」 「なんか、悩んでることとかある?」 どきり、でも私は絶対に他人には言わないと決めている。だって情けないじゃない。 悩み事なんて尽きるはずがない。だから無関心でいようと思ってて。 「なんで?」 「なんとなく。さっき気のせいかもしれないかもしれないけど少し、寂しそうだったから。」 「そっか・・・そんな顔してたかな。」 「あ、いや!そうかなーって思っただけだからさ!」 「ううん、多分そうだと思う。」 あー沢田君少し困った顔しちゃってるや。もう、どうしよう。人と話すのって難しいことなのよね。 「・・・じゃあさ、無理にとは言わないけど、もしよかったら寂しさの理由聞かせてよ。」 秘密ってね、三つあって今そのひとつがあてられちゃったな。誰かに聞いてもらえるのを待ちながら 秘密にしていること。なんだか、沢田君には話していいかもしれないって思ってしまった。あぁ、 でもこれで目の前が変わるならいいかな。無関心でいたって一人でいたって、自分が安全なだけで ちっとも進みはしなかったんだと思う。何でも分かっちゃう沢田君てすごいな。私も沢田君みたいに 人の気持ちが分かるようになりたい。うん、素直になろう。私は寂しいし、誰かに愛されたいのかもしれない。 私は、これから変わろう。 「いいよ。でも、秘密にしてね。」 Changes 変わりたいよね。 200800420 鵠沼杵多 |