ひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひら


なにが?


ひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひら


花びら?


ひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひら


え?あの子のスカート?


ひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひら


裾のレースが?


ひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひら


なんだよもう!うるさいな!


ひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひらひら


なにが散っているのさ。え・・・?


ひらひらひら・・・ひ・・らひら・・・ひら・・・・ら
























君は、真っ赤だった。良く熟れていて、真っ赤だった。まるで子羊の肉のように柔らかい体。うっすらと脂肪がついているだけのスラリとしたくびれのある華奢な体。 さらさらさらと流れる水のようにシルクのようにさらさらと真っ白な肌。肌。もはや黄色人種でもないだろう。さらさらさらとまっしろ。頬は杏子みたいな色だ。 ぱさぱさぱさ。髪が風に煽られている。ぱさぱさぱさ。まつげもぱさぱさぱさ。ああ、かわいいね、きれいだね、食べ物だったらごちそうのようだよ。よだれがでる。 そんな、君が・・・ああああああ!!!!!!!目の前で君が散る。ぱらぱらぱら、頭から足から。ぱらぱらぱら、砂のように崩壊するかのように君が崩れていく。 君の城壁がぽろぽろぽろ。そんな君の中から出てきたのは、まぎれもない君だけど、ひらひらひらひらひらひらひらひら。


目を覚ませば、顔の前にすこし困ったような顔をしたが居た。あぁ、うなされていたのかな。時計は7:30を指していた。少し早く起きすぎたかな。まぁいいか。 部屋は朝日で一杯でベッドに寝ていた俺はぐっしょりと汗をかいていた。昨日は、窓を開ければまだ涼しくて過ごしやすい夜だったはず。どのくらい俺はうなされていたのだろうか。 変な夢をみたものだ。良く・・・・覚えては居ない。でも、何だろう。ひらひらひら。そんなものが聞こえてたような。見ていたような。よくわからない。俺はとりあえず 寝ていたベッドから体を起こして、困ったような顔をしたままのにキスをして「おはよう。」といった。は「おはよう、大丈夫?」と心配そうに聞いてきた。 俺は大丈夫、とだけ答えて着替えるから朝食の準備をしてくれる?とに言った。うん、と頷いて部屋からでていった。本当は僕は大丈夫じゃない。 ぜんぜん、まったく大丈夫だなんてないんだ。とりあえずシャワーを浴びて汗を流す。むわっとむせ返るような湯気の中、化学的に温められた水に体を当てる。 さらさらと水が体を伝って落ちる。繰り返される伝っては落ちる運動。むなしいな。セッケンを使って体中を洗う。髪も洗う。ぬめぬめとしているが気持ちがいい。 汚れがとれていくというのは素晴らしいな。すみずみまで洗い終えて、また温かい水で体についたセッケンを洗い流す。すっきりした。シャワーをでてリビングに行く。 もう既に朝食が準備されていた。


「遅くなってごめん。」
「ううん、大丈夫だよ。それより大丈夫?」
「あぁ。本当に大丈夫だから気にしないで。」
「そう?・・・わかった。コーヒー飲む?」
「あぁ・・・うん、コーヒーでいい。」
「はーい。」


何ひとつ変わらない朝だ。なんだ、でもなんだか、変な感じがするんだ、なんなんだろうか。崩れる?痛みもない退屈におぼれそうだ。変な事は起こらないだろうか。 例えばぎらぎらと砂漠に煌く太陽のように行き成り熱くなったりしないだろうか。氷河期のように行き成り寒くなったりしないだろうか。なにかが、足らない。


「変な夢を見たんだよ。」
「へぇ、どんな?珍しいね。つなよしが夢なんて。」
「そうだね、ひさしぶりだった。」
「それで、どんなんだったの?」
「それが、あんまり覚えていないんだけど、」
「うん。」
「なんだか、ひらひらっていっぱい出てきてが崩れてく夢。」
「なにそれ。私が崩れちゃうの?」
「そう、砂みたいに、花びらみたいにどんどんひらひら消えていくんだ、崩れていくんだ、散っていくんだ。」
「嫌な夢だねぇ。なんだか、もう消えちゃうみたいだねぇ。」
「ごめん。」
「大丈夫だよー夢って大概人に話せば平気だし。」
「そんなものかな。」
「うん、そんなものだよ。」
「そうか。」


でも、不思議だねー。とは部屋の天井を見上げてぼーっとしていた。なんだか、怖いな。今俺が目を閉じたら、瞼をとじたら、この平和な日常が崩れていきそうだ。 怖いな。もしかしたら、敵はすぐそこに来ているのかもしれない。俺と、を邪魔する敵が。まだ見ぬ敵よ、どこにいるんだ。俺の城壁はつよい。崩れるものか。 守ってみせるさ、俺もも今も。ひらひらひらひらひらひらひらひら、花びらが散って部屋にいっぱい入ってくる。ひらひらひらひらひらひらひらひら。 明日も、一時間後も一分後も、一秒後も分からない憐れな俺たち。次の言葉も、次の音も、そいつの行動も分からない。この世界にはわからないものが多すぎる。 馬鹿みたいに多すぎる。矛盾だって多すぎる。今だって多すぎる。なんなんだ。俺らはこんな中でよく生きていられるもんだな。すごいな。


あ、崩れているのは俺だ。


脳細胞が暴動を起こして殺し合いしてる。崩れてるのは僕だ。僕が崩れてるからも崩れるんだ。まって。伝える。


、」
「なぁに。」
「同棲してどれくらい経つかな。」
「3ヶ月くらいかな。」
「そっか。じゃあさ、」
「うん?」
「そろそろ、結婚しようか。」
「嫌だ。」
「は?」
「嘘、守ってくれる?」
「うん、守らなくてどうするの。」
「崩す。」
「そんな馬鹿なことあるか。」
「そうだね、ありがたくお受けいたします。私の騎士。」
「どんなだよ。」
「笑わないで、好きよ。つなよし。」
「あぁ。」















ひらひらひら















すげぇー。意味不明が10倍くらい。
倖 燗拿20070513