私は馬鹿な女の子です。暇さえあればろくでもないことばかりを考えてばかりです。たとえば、私が綱吉君を好きな理由を100個言えと言われたら何を言おうか とか綱吉君が私の前を歩いていたら綱吉君の影を踏みながら綱吉君の後姿を追って家に帰ろうとか綱吉君がもし私の髪に触れてくれたら優しい感じの手が触れるのかな とか私が綱吉君の名前を呼んだら振り向いて名前を呼んでくれるかなとか綱吉君は抱きしめる時はぎゅーっとしてくれるのかなとか色々変な事ばかり想像しているんです。 コレは俗に言う妄想です。でも、好き過ぎて妄想せずにはいられないのです。気がつけば私は綱吉君ばかりなのだから。そして、只今チャンス到来の時期なのです。 今、私の席は綱吉君の隣なのです。綱吉君は思ったとおりとっても優しい男の子なのです。私が教科書を忘れたら見せてくれるし何か物を落としたらすぐに拾ってくれて 笑顔キラキラで私に渡してきてくれるし、すごいほどに急接近なんです。こんな毎日を送っているわけで、改めて私は綱吉君がすきなんだなぁと実感したんです。


あるその日に、嬉しい事件がおこりました。朝、綱吉君がいつもどおり獄寺君と山本君と登校してきて席に着きました。でも、どうも綱吉君の様子がおかしい。 調子がとても悪そうで顔が真っ青なのに頬は真っ赤できっと熱があるんだろうと思った。綱吉君に「大丈夫?顔色悪いよ?」といっても「大丈夫。」としか言わなくて、 でも明らかに調子が悪そうなんです。でも、大丈夫と言うのでそのままにしておいたのですが三時間目の授業が終わった時私は、もう我慢できなくなって 綱吉君を保健室へと連れて行きました。綱吉君の大丈夫発言などもうシカトして。


さん、本当に大丈夫だから。」
「だめだよ、顔色がわるすぎるもん。」
「うーん、確かに熱は有るけど・・・。」
「だめ、ちゃんと休んで。」
「う、うん・・・。」


半ば無理やり綱吉君を保健室に無理やり連れて来させ、無理やり寝かせて一安心。私はずっと綱吉君のそばにいた。綱吉君は大分疲れていたのか ベッドに横になってすぐにすうすうと眠り始めてしまった。それから30分くらいすると綱吉君はぶわっと全身から汗をいっぱいだして息を荒げながら苦しそうに寝ていた。 私はあわてて大きなボウルに水をはって保健室の氷を勝手に何個か貰ってその中に真新しい真っ白なタオルを浸して絞って綱吉君の汗を拭いてあげて最後にタオルを もう一度ゆすいで額に乗せておいた。すこしビックリしたみたいだったけど汗がとれてすっきりしたみたいでまた寝始めてしまった。それからは私も記憶がなくて綱吉君の そばで一緒に寝ちゃったみたいだった。目を覚ますともう夕方になっていた。綱吉君はもう起きていて、目を覚ました私を見て一言。


「あ、さん起きた?」
「うん・・・ごめん寝ちゃってたみたいだね。」
「大丈夫だよ。それよりタオルを置いてくれたのってさん?」
「そうだよ。苦しそうにしてたからさ。」
「ありがとう、本当に苦しかったんだけど冷たいものがあたってすぐに楽になったんだ。」
「そっか、良くなったならよかった。」
「うん、ありがとう。」


私は、勇気を出して綱吉君の額に触れてじっと綱吉君の目を見る。


「え、あ、どうしたのさん。」
「んー本当に熱が下がってるのかなぁって。」
「大丈夫だよ。心配症だなあ。」
「ふふ!そうかなぁ。でもさ、こんなにも心配になる理由があるんだよー。」
「そんなこと言われてもオレだって恥ずかしくなる理由があるんだよ!」


もしかしたら、思ってること一緒なのかなぁ・・・。こうやって少し間が空いちゃうとなんだかなぁ・・・。


「ねぇ、綱吉君。変なこと聞いていい?」
「なに?」
「もしかしたらさ、綱吉君と私が思ってることが一緒ていう可能性はあるのかなぁ。」
「思っていること?」
「うん。」
「じゃぁ、せーので言ってみる?」
「綱吉君はそれでいいの?」
「うん、いいよ。」
「じゃあ、せーの。」


『好き、です。』
『好きだ。』


「・・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・・。」
「・・・あ。」


いっきに顔が赤くなるのが分かった。すごい、すごい恥ずかしい・・・。でも、一緒だったよ、うん。


「え、これ、ってさ、」
「うん、綱吉君と思ってること一緒だったね。」
「あ゛ーーー!」
「え?なに?どうしたの?」
「なんでもない・・。さんもうちょっとこっちに来て。」
「うん?うん。」


近づいたら綱吉君が抱きしめてくれた。髪を撫でてくれた。うん、思ったとおり優しい手だ。あったかい。ドクドクと心臓がなってる。 ドクドクどんどん鼓動が強く大きくなっていく。このままくっついてたら綱吉君に聞こえちゃいそうなほどだ。 でも、うれしいかもしれない。ぎゅーって抱きしめられてる。綱吉君が耳元で「付き合ってくれる?」ってささやいてきたから 抱きしめる腕にもっと力を込めてぎゅーっと抱きしめたら綱吉くんは笑いながらやさしく頭を撫でてくれた。そして私のことを呼んでくれた。


「よろしくね、。」
「・・・うん。」


まだ、綱吉くんを好きな理由100個も言えないけど、優しい手と大きな抱擁感は確かなものであることがわかったよ。


「よろしく、ね。つなよし!」


夕日がまぶしい。















夢を見よ、こいびと

















タイトルと合わないな。久しぶりなのに、コレです。(・・・)
倖 燗拿 20070527