空は雨模様で、昨日からずっとふり続けている。今日の空もどんよりとしていて暗い空。
こんな天気と空模様が続くようじゃ気がめいってしまいそうだこと。目をつむれば駅前の虹と
電車の音が聞こえる。目に浮かぶ情景がなつかしい。好きだって伝えたのに君は合えない。
出来ることならあの雨の上に行きたい。せめてあの雲の上に行きたい。静かな時間に包まれるようにして
身を沈めたい。だれか、助けて、ちょうだい。あの、雨の上に行きたいだけなのに。


「愛を、知らないのか。」


誰かの声が聞こえる。男の人の声・・・・?うっすら目を開ければ目の前には耳の横に羽をつけた人がいる。
目つきがすごく悪くて背がすごく、高い。2mくらい?だれだろ、こんなイタリアの街はずれの古いアパートの一室に。


「だ、れ・・・。」
「・・・。はっ。」


偉そうに、人の事をみおろす人だ。私がうなだれてるのをいいことに。泣いてるのをいい事に。あ、あの黒い上着のエンブレム。
ヴァリアーのひとか。私、もう殺し屋やってないのになぁ。うーんと、名前なんだっけ。ザン、ザンザ・・・?うーん。


「お前、今何がしてぇ。」
「雨の上にいきたい。こんな天気、気がめいる。」
「・・・そうか、カスだな。」
「しつれいな、やつ。」


人のこといきなりカスだなんて。わらえるわ。


「さっき、私になんかいったでしょ。ここに着たばかりのとき。」
「いったなぁ。」
「なに?」
「あぁ?愛をしらねぇのかって。」
「知らない、かも。」
「・・・。」
「なんで、名前。」
「・・・ちっ。思いださねぇか。」
「・・・あ、?」


男は私に近づいてしゃがんで私の上半身を起こして抱きしめてきた。そして、耳元で名前と、何かを言ってきた。
ねぇ、私は好きだって言ったのに聞こえない。ちょうだい、せめてひと時だけでいいの、に。私は目を閉じて意識をもどこかへやってしまった。
目を、覚ましたら。


「もう、泣くな。俺が抱いてやるから。そばに、居てやるから。」


「お前の言葉はとっくに知ってたし、聞こえてた。戻って来い。駿足のスピカ。」



思い出した、愛を殺すくせに抱きしめるザンザス。ひどい、貴方。









一度は捨てた愛、雨の上へ












よー!っても意味がわかりません。また文が書けなくなりました。66dbより。
20071013 鵠沼 杵多